古典ギリシア語Ⅰ

 古典ギリシア語の勉強を始めてから、何かにつけてそのことが話題に上ります.通っている教会の先生にも、大学の先生にも、古典ギリシア語の勉強をしていると言うと、喜んでもらえます。フランス語やスペイン語や英語では、こういうことはなかなかありませんでした。

 三限の明るいときにまだ新しい比較的きれいな棟の、たて長の小さな教室で授業を受けています。毎回、一時間かそこらじゃ終わらない量の課題が出て、授業の進みもとても速いので、大変です。

 字母はだれでもある程度見たことのあるようなものばかりなので、覚えるのには苦労しません。音価としてあてがわれているアルファベットは、字母と形が似ていることが多いので、覚えやすいです。それをローマ字読みするだけでいいのです。

 長母音や副母音、有息記号など、発音するうえで覚えなくてはいけないことがいくつかありますが、しかし発音の方もかなり簡単です。例えば、アクセントは音の高低につきます。これは橋と箸のような発音の違いがあるのだと言えば、わかりやすいと思います。とにかく、日本人には発音しやすい言語なのです。まあ、ネイティブスピーカーの発音を聴いたことがないので、自分の発音がそれに比べてどのくらい正確なのか、私は一切知らないのですが。ほかに黙音流音芻音、有声音、帯気音といったものもありますが、何故か教室では先生はこんな発音はしないので、これらはただ単に知識として覚えています。あと、θなんてトと読んだりトゥと読んだりして、どういう基準で言い分けるのかわかりません。そもそもthなんて、ローマ字読みできません。

 動詞には単数と複数のほかに双数があります。ただ、主語が二人、ふたつであっても、複数を使うことが多いです。

 名詞には男性、女性、中性があります。今年の三月まで、ほとんど英語と日本語にしか触れてこなかった私には、理解し難いことです。名詞には、格というものもあります。こちらは日本語でいう、てにをはのようなものだと今のところは理解しているので、私には馴染みやすいです。